──愛する妻との性交に興奮しなくなっている。2度目の結婚記念日を迎えた藤尾隆彥は、その原因に薄々気付いていた…。──生まれ育った村の淫靡な神事。一度は、あまりのおぞましさに耐え切れず逃げ出した故郷だったが、自分の心の奧底に拭うことの出來ない性癖を植えつけてしまっていたのだ。熟れた美貌に愛らしい寢顔を浮かべて眠る妻愛実を見つめながら、隆彥は怒張にどす黒い熱が溜まるのを実感していた。そしてその熱が、故郷に戻ることでしか鎮めることが出來ないだろうことも……。
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